~トラウマと痛みの関係~
「トラウマ」日常会話の中でも非常によく聞く、また使用する言葉ですよね。
では、トラウマとはいったい何でしょうか?
そして、トラウマと痛みには関係があるのでしょうか?
一般的にトラウマとは「人の精神に大きなダメージを与え、その影響が長期にわたって残るような体験や、そのときに受けた精神的な外傷のこと」を意味します。
心理学的に言うと以下の4つの条件が揃った時に「トラウマ」と言います。
・予測していない出来事だった
・ショックが大きかった
・対処の仕方が分からなかった
・一人で対処しなければならなかった
ですので、原因となることは様々ありますよね。
事件・事故・いじめ・家庭内暴力・医療体験などなど。
ご本人にとって、この4つが揃っていればトラウマなのですから・・・。
そして、トラウマは「心の問題」と思われがちなのですが、「身体」の問題です。
実際にそのショックはしっかりと「身体に残っている」のです。
トラウマを経験すると、身体には凍り付きや擬死といった生物学的反応が起こります。
無意識下での急激な筋緊張が起こり、そのまま慢性的に凍り付いてしまう。
無意識下で起こっているので、本人は筋肉の過緊張に気づくことはなかなか出来ません。
しかし、表面的な症状には気づきます。
いつも身体が痛い。慢性的に体が凝っている。
いくらマッサージや治療に通っても、効果は一時的ですぐに再燃してしまう。
無意識の筋肉の過緊張がトラウマを発症してからずっと持続しているのです。
そして、持続的な過緊張が慢性疼痛に至ると考えられています。
「凍り付き」を溶いていくことが、トラウマ由来の痛みの治療法としてとても有効であるとも言えます。
「凍り付き」を溶くのに有効な療法としては、心理療法をはじめ様々なボディーワークなど
(例えばヨガ、フェルデンクライス・メソッド、ソマティック・エクスペリエンス、アレクサンダー・テクニークなど)が慢性疲労症候群や線維筋痛症の治療にも応用できると名古屋大学の研究では明らかになっています。
そして、私自身は身体心理セラピーOST(optimal sence therapy)を継続的に受けることで、痛みの改善を実感しています。
原因不明の痛みとは、原因が現代医療ではわからないということ。
けれども、身体は間違えることはありません。
どんなことにも原因があります。
痛みに悩むあなたが、ご自分に合った方法を見つけられることを心から願っています。
次回は、入浴のススメです。